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第13話
初めてのカップルと女性の感の凄さに驚いた話
ジルバを覚えるために通い始めたダンス教習所通いだったが、何時の間にか
そんな事は忘れて夢中になって居るうちに、一年経ち二年経ち三年目も
毎日の様に教習所へ通っている内に初等科、中等科、高等科も終えて
研究科になって居た。

此処の教習所は一日毎にクラスのレッスン時間が変わるのだが、研究科は
一日置きに、終わりのクラスになるので、研究科になると希望者は、先生の助手を
して教習の手伝いをした後で研究生同士でカップルレッスンを受けることが出来る
様になっていた。

勿論カップルレッスンを希望した。先生からパートナーとして紹介されたのは
カップルバランスも考えて涼子さんと言う女性だった。彼女とは年の差が
三歳あって、お姉さんさんだが相性が良いみたいでスムーズに毎日の様に
研究科以外の日も教習の終了後練習をした

彼女は最初秋田の繊維会社の支社に入社したのだが、秋田支社から日本橋
本社に呼ばれ社長秘書に抜擢されたぐらいの人だから見るからに聡明そうな
雰囲気の女性だ。きっと仕事も出来るに違いない。

でもダンスは真面目に出来るだけ私に合わそうとしてくれる。特に気の強そうな
素振りなど少しも見せないで、お姉さんタイプの相性の良さを感じさせ楽しい
練習が続いた。でも涼子さんは秋田に婚約者がいるので、いずれ秋田へ
帰る事に
なるらしい。

カップルを組んで踊り初めて半年ぐらいが過ぎた。練習の日は私の大宮行きの
最終電車の時間まで練習する事に話し合ったて決めた。
涼子さんも赤羽に住んでいるので練習が終わると毎日一緒に帰っていた。

自分は男27歳適齢期になるまで女性との交際はしないで居ようと思って
いたので、またモテルタイプでも無いので、ダンスを踊ることだけに夢中に
なって居た。そんな毎日に異変が起き始めた。

何時もの様に研究科のレッスンが始まる前、男性陣が賑やかだった。話題は最近
入会した初等科に来ている、ちょっとスタイルの良い大柄な感じの大人になった
不二家のマスコットのペコちゃんのような、目の大きなクリとした女の人の事で
盛り上がっていた。私も何度かレッスンをした事があったが、皆、誰が最初に
声を掛けるかでにぎやかだった。

私には縁無い話なので何時もの様に涼子さんとカップルの練習を始めた
しばらく踊って、踊りを一休みした時に、涼子さんに
“ナベちゃんは優しいけど冷たいのかなー?”“私、冷たい人嫌だな”と言われた
特別に意味のある話とは思わずに“私は冷たくなんかないですよ”とこたえた
でも後から思うとこれは意味のある言葉だった。

それから数日後、何時もの様に練習を終えて帰る電車の中で涼子さんが言った
“ネー家によってお茶デモ飲んでいかない”一瞬 “ エッ”である
返事に詰まった。この電車が最終電車である。

此の電車にを逃すともう帰れない、帰れるぎりぎりの時間まで練習しようと
話し合って決めた練習時間である。だからこれが最終電車と知っていて
“お茶のみに誘ってくれる”ということは、今日は帰れない状況になる訳で
一つ部屋に一晩、涼子さんと過ごすわけだ。頭の中でいろいろな考えが横切る

頭の中をよからぬ妄想が蠢く、親しい女性と二人きりで、一晩一部屋の
中にいて何にも起きないなんて、それほど自分が紳士的とは思えない、
トンデモナイ善からぬ妄想を振り払って
“電車がなくなるから今度時間のある時に寄せてもらうよ”といった。
涼子さんが電車を降りてから自分の降りる大宮までずーと涼子さんの
言葉を考えていた

私からすると婚約者を秋田に残して秋田支社ら日本橋本社の社長秘書に
抜擢される程聡明で三歳年上のお姉様タイプの出来る人が何を考えたのか
理解不能だった。でもこの後、先日の“ナベちゃんは冷たい人?”
“私冷たい人は嫌だな”が意味のあっる言葉だったのが分かることになる。

それから数日後だった。練習中の休憩しているときに涼子さんが言った
ナベちゃん、私此れに懸けてみようと思うの、別にナベちゃんの所為じゃ
ないけど、この間秋田の婚約者に婚約を断ったの、本気でやってみよう
かなって、だから今、精神的にきつい時だから“冷たくしないでね”
おもわず涼子さんの顔を見てしまった

先日の“ナベちゃん冷たい人?”“私つめたいひと嫌い”から“お茶を飲んでいけば”
まで一連の事が理解できた。思わず涼子さんの顔を見た、それから周りを見た、
他の助手の人達には聞こえてないようだが、先生には聞こえていた様だ
〔相談した様で知っているという顔をしている、どうやら先生も承知のようだ}

私は只、ダンスがうまく踊れるよになりたくて、カップル練習をしてしているのだが
パートナーの涼子さんが、“此れかをに懸けてみたい”とか“婚約破棄したから
冷たくしないでネ”とか言われても、それは確かにこの間“冷たくないよ”とは
言ったけど、重要さの程度が違いすぎるでしょう

“エッどうして” “エッ何を考えたの”〔婚約者や所長秘書の仕事の方が大事でしょう〕
私は内心そう思うより仕方なかった。練習が終わり帰りがけに先生からさり気無く
“本格的に踊ることを考えてみればどうかな”と言われた。
どうやら周りで違う事が起き始めてるようだ。

涼子さんの急激なエスカレートには “お姉さまご乱心” としか言えないと
思っていたが色々理解できないことも気持ち的に整理出来なことも有ったが
カップル練習は続いた。

でもこの一連の涼子さんのエスカレートは私の知らないところで、違う原因で
起こっていた。わたくしの全く理解しない所ですでに動き始めていたのです

女の人の感は凄いですねーということになります 14話に続きます