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東京出張から帰ってくると、中々練習に興が乗らない日々が続いていました。いろいろとやること、やりたいこと、やりたくないけれどヤラナケレバいけないこと等々、大小さまざまな雑事が積み重なり、しまいには蔦のように絡まりあい、何から手を付けていいのか分からなくなりそうな状態に。

そのどれもが実際にはたいしたことの無い、それこそ取引先に電話一本かければすむような用事が殆どなのですがそういうのが溜まり過ぎるともう、自分ではどの位仕事が溜まっているのか分からなくなってきます。こうなるととたんに仕事に対する熱意を失い、布団に丸くなるか人知れずぴっちりしたパンツに履き替えて自転車を漕ぎ出してしまいそうになるのです。みなさんもそういうの、ありますよね?

とそんな中で中々ダンスホールに向かう足も鈍くなってしまいあれこれ理由を付けては先延ばしにしてしまう数日が過ぎてしまいました。

このままではアカン、トランプ氏に名指しで非難されてしまうと無理やりにでもホールに向かう。そして自分を戒めるために上半身裸になってシャドウをはじめます。

一人だからこそ出来る練習方法。パートナーの前でもこの弛緩したボディは見せられたものではありません。自宅に本格的なダンスホールがある人間の特権的練習方法であります。と、やってみるとこれが中々いい。予想外に効果的な練習であることが発見されるわけでございます。

はじめの頃は醜く白く弛みきった中年のボディラインをごまかすために、割りとだぼっとした服をきて練習していました。が徐々に踊れるようになってくるにつれて自分のボディラインが正しい形を取れているのか分かりにくいため、なるべく肌にフィットした服を着るように心がけていました。

そしてついに体を覆う布切れをすべて取っ払い産まれたままの姿になってみます。イスラエルの罪を背負って三年半の間裸で過ごした預言者イザヤのごときです。下半身はきているので安心してください。

視覚的に自分の上体が踊っているときにどういう動きをしているのか、どこの筋肉を使えているのか使えていないのかを把握できるようになります。踊るとき、いかに体幹を意識せず不安定な上体のままで踊っていたのかを思い知らされました。

上半身の筋肉を内に絞込み、上へ上へ体を引き上げるようにして踊れ、とうちの夜叉王に言われ続けてきた意味がやっと理解できました。ここ数日、ステップを小さくしてでも上体が崩れないように、背中が常にぎゅっと絞られ、腹筋が緩まないようにそれの上体が体にしみこむようにと意識して練習していました。

背中が筋肉痛になり、踊っているときも以前とは比較にならないくらい汗をかくようになってくる。それでも数日もすると格段と踊りが安定し姿勢が美しくなってきたのが自分でも分かります。ちょっとうっとりします。

体の上半分が裸。地球で言うと北半球が裸の上体。タイガースで言うと上阪神タイガースといった所です。三十半ばの運動不足の体が、それでも踊っているときは不思議と人に見せれる物になってきました。踊りが終わって一息つくと下の豊満放漫恵体ボディに戻ってしまうのはいかんともしがたいところですが。

こんな練習方法を街中のスタジオでやろうものなら無礼千万、切捨て御免にされてしまいます。自宅にホールがある人間にだけ許される何もかもを取り払い神なる大自然と一体になれる練習方法ですが、機会があったら是非試してみてくださいまし。思えばダンスを始めてもうすぐ半年はたとうとしています。周りに比較対象がいないので、自分が時間の経過の割りに踊れているのかまだまだなのか。最近ちょと気になるところ。