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変わった 2~3/100の割合で居る人の御話です
私が教師を、していたダンス教室には、1年間で大体一人の先生に、百人前後の、
入会者がいるのですが、その百人の中で、2~3人位特別に運動能力がズバ抜けてるとか、
子供の頃から音楽に親しんでたとか、バレーを踊っていたとかで、これはダンス向きな人だなと
思う人がいます、でも反対に絶対にダンス向きで無い人も、同じ位な人数で入会してきます。

私のパートナーの I 先生は、ダンス教師に成る前は,幼稚園の先生をしていました。それで、
御客さんに入会の手続きをしてもらう時に、我の強そうな人とか、何となくワケの判らなそうな
人とか、最初から難しそうな人は、彼女の担当になっていました。

或る時中年のご婦人が若い男性を連れて見学に来ました。暫く見学した後、意を決した様に、
受け付けに来ると、ご婦人は 「家の子を入会させてください、何か資格が要りますか?」
私 「いいえ別に資格は要りませんけれど」 ご婦人 「実はこの子、これから、社会人に成るので、
女の人と、接する訓練をささえたいのですが」何か事情が有りそうです。詳しい話を聞いてみました。

話では、息子さんは今迄、障害者施設に居たのですが年齢適な事から、それまでの施設を
出る事になり、その為に社会に出る事になるので、息子さんも年頃なので間違いの起きない様に、
女性との接し方を教えて欲しい、と、言う事のようだった。

ダンスとは、関係ないのだが、ご婦人の親心を考えると、駄目とは言えず引き受けることに成りましたが
そうなれば、勿論担当は私のパートナーの I 先生です。サー此処で想像して下さい、、
テレビの芦屋雁ノ助の演ずる山下画伯にダンスを教える様を、山下画伯モドキの彼の周りを、走り廻る
I 先生のすがたを“右には、左”、“前には横”、“回ってには、立ったまま”、“押してもダメ、引いてもダメ”
大汗かいて教えている I 先生の方が七転八倒です。

でも、山下画伯モドキの御本人は何も理解していません。それでもレッスンの終了時間になり御婦人は、
満足気に、息子さんを連れて帰りました。そうです、ご婦人はダンスを覚えさせる事が目的では、
有りませんから山下画伯モドキが何も覚えて無くても気にしてないのです。
でも、I先生は、レッスン時間中、大人とお遊戯をしていた様なものですから、ヘトヘトになっていました

数日後、ご婦人が山下画伯もどきの息子さんを連れて又やって来ました。
ご婦人「今日も、お願い致します、今日は、私が、居ると、頼りますので、終る頃迎えに来ます」
「外の喫茶店に居ます」そう言って、出て行きました。

I先生は、レッスンの途中の人が居ましたので、、山下画伯もどきの彼に言い聞かせる様にして、
I先生 「もう直ぐ、終るから、少し待っててネ!」レッスン途中の人の所に戻り再びレッスンをしてました、
I先生、フット、気ずいて、待ってる筈の山下画伯もどきの彼を、目で探しました。居ないのです、
I先生 「誰か、知らない?」サー大変です、山下画伯もどきの彼が本当に、放浪に出てしまいました。

教室の前は電車の線路、後ろは交通量の多い国道の中山道です、先生達全員レッスンを止めて、
彼を捜しに、外へ飛び出しました。幸いに直ぐ裏の道を歩いてる彼を見つけましたので、大事には。
成りませんでしたが、I 先生が話しかけても、山下画伯もどきの彼は「家に帰る」しか言いません。

仕方ないので、ご婦人に来てもらいその日は家に帰る事に成りました。でも、その後で先生達で、、
今回は行方不明とか事故にならなくて良かったが、この次は目を離さない様に皆で注意しようと。
話し合いました、でも、それ以後ご婦人と、山下画伯もどきの彼は、訪れなかった。

たった二回の接触でしたが大騒ぎでした。出来る事は出来る限りしてみようと思いましたが、
自分達が思っていたより大変だったですね、これを読んでる方で、面倒をみている身内の方や、
ボランテイアの方が居ましたら、頑張ってさい。

もう亡くなりましたが 私の母も、私の弟が病気で具合悪く荒れ狂っていた時に、
母は 「五体満足で無いのは私の所為」そう言って、全て引き受けていました。
私は、そんな母が精神的に、壮絶なものがあったのをしっています。
ダンスとは、少し違う、動機の生徒でしたが、社交の意味では、本質でしょう。